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労務コラム

2024.07.09

パート・アルバイトの方が社会保険に加入するメリットとは?

前月のコラムでは、令和6年10月から始まる常時50人を超える規模の企業の健康保険・厚生年金保険(社会保険)の適用拡大について解説いたしました。
【令和6年10月施行】社会保険の適用拡大とは?

今回は、パート・アルバイトの方々が社会保険に加入するメリットと加入することによって変わる毎月の負担額等について解説していきます。

「社会保険」とは、「健康保険」と「厚生年金保険」の2つの総称です(場合によっては、「雇用保険」、「労災保険」も含める場合もあります)。「健康保険」と「厚生年金保険」はセットで加入することになりますので、片方だけ加入するということはできません。

パート・アルバイトが社会保険に加入するメリットと変わる毎月の負担額

1.健康保険に加入するメリット

【傷病手当金・出産手当金が受給できる】
病気やケガで仕事を休まざるをえなくなった場合、健康保険に加入していれば休んでいる期間に応じて傷病手当金が受給できます。
また、出産で仕事を休まざるをえない場合は、同じように出産手当金が受給できます。要件を満たせば、毎月の給与額の約3分の2の金額が非課税で支給されます。

2.健康保険に加入することによって変わる毎月の負担額

健康保険に加入することによって、健康保険料(40歳以上65歳未満の方は介護保険料も加わります)を毎月給与から天引きされることになります。

1)国民健康保険に加入している場合
→現在の国民健康保険の保険料と比較してどちらが高いかということになります。
2)夫(妻)や父(母)の扶養になっている場合
→現在の負担額は0円ですので、必ず毎月の負担額が増えることになります。

3.厚生年金保険に加入するメリット

【将来受け取れる年金額が増える】
厚生年金に加入することによって、将来受け取れる年金額が増えます。
月10万円の給与の方が1年間加入すると月額500円の年金額が増えることになります。
また、60歳以上で過去に厚生年金に加入していた期間が40年未満の方は、上記の金額だけでなく、国民年金相当部分の額も増えます。
こちらは給与にかかわらず1年間加入すると月額1,600円の年金額が増えることになります。

4.厚生年金保険に加入することによって変わる毎月の負担額

厚生年金保険に加入することによって、厚生年金保険料を毎月給与から天引きされることになります。

1)国民年金に加入している場合
→現在の国民年金の保険料と比較してどちらが高いかということになりますが、令和6年度の国民年金保険料額は、一律月16,980円です(免除制度を利用していればこれより低い場合もあります)。これに対して、厚生年金保険料は毎月の給与額に比例して上がっていきます。しかし、例えば月10万円の給与であれば、本人の負担額は月8,052円ですので、多くのパート・アルバイトの方々は厚生年金保険に加入した方が負担額が少なくなります。
2)夫(妻)の扶養になっている場合、または60歳以上の場合
→現在の負担額は0円ですので、必ず毎月の負担額が増えることになります。

5.社会保険に加入することによって、家族手当の対象から外れる可能性

→家族手当(扶養手当という名称の会社もあります)を支給する会社は多いですが、この家族手当は、「健康保険の扶養」になっている扶養家族の人数に応じて支給するという要件を設けている会社が少なくありません。自身が健康保険に加入することによって、夫(妻)や父(母)が会社から支給されている家族手当が減額される場合があります。

社会保険に加入することによって、手厚い給付を受けられるようになることは間違いありません。ただし、人によっては毎月の保険料負担額が増えたり、夫(妻)や父(母)の家族手当が減額される場合があります。社会保険へ加入するかどうかを選択できるのであれば、これらを踏まえて判断する必要があります。

ほし社会保険労務士事務所では、社会保険へ加入すべきかどうか等のご相談も承っておりますのでぜひお気軽にご相談ください。

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