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労務コラム

2026.07.08

人事・労務の属人化を防ぐ、社会保険労務士への委託という選択肢

近年、人手不足は多くの中小企業に共通する悩みになっています。
売上に直結する営業職や現場要員の不足だけでなく、総務・人事・労務といったバックオフィスでも、「長年勤めてくれた担当者が退職し、代わりが見つからない」という声をよく耳にします。

人事・労務担当者は、給与計算や社会保険・労働保険の手続き、入退社時の対応、労働時間管理など、会社の土台を支える重要な役割を担っています。しかし、その業務は社内で共有されにくく、担当者一人に任せきりになっていることも少なくありません。

そのため、人事・労務担当者の退職や休職が発生した途端に「誰もやり方が分からない」「そもそも何をやっていたかわからない」という事態になります。ここに、人手不足の時代ならではの大きなリスクがあります。

採用で人事・労務担当者の穴を埋めるのが難しい理由

では、退職した人事・労務担当者の代わりを採用しようとすると、何が起きるでしょうか。

まず、即戦力となる人事・労務経験者の採用は、年々ハードルが上がっています。
人事・労務の経験者はあらゆる業種で求められており、中小企業が給与や待遇面で大企業と競うのは簡単ではありません。人手不足が深刻化するなか、「応募自体がほとんど来ない」というケースも珍しくありません。

次に、未経験者を採用して一から育成すればよいかというと、ここにも大きな負担が生じます。人事・労務の仕事は、単に事務作業を覚えれば良いわけではなく、労働関係法令や社会保険制度などの基礎知識、会社ごとのルール、給与体系などを総合的に理解する必要があります。日々の業務をこなしながら、丁寧に教育していくには相当な時間と労力が必要です。

さらに、せっかく育ってきたところで転職やライフイベントにより退職してしまえば、また一から採用と教育をやり直さなければなりません。こうしたサイクルは、規模の小さな会社ほど経営にとって重い負担になっていきます。

このような状況のなかで、人事・労務業務の一部または全体を社会保険労務士に任せる企業が増えています。社労士は、労働関係法令や社会保険関係、人事・労務管理の専門家として、従業員の採用から退職までの各種手続きや制度設計を支える国家資格者です。

社労士の活用のメリット

社労士を活用することで、例えば次のようなメリットが得られます。

  • 給与計算や社会保険手続きなど、定型的で専門性の高い業務を任せることで、社内の人材を本業や他の基幹業務に振り向けられる
  • 担当者の急な退職や休職があっても、社労士が継続的に関わることで、手続きの滞りや引き継ぎ漏れのリスクを抑えられる
  • 業務の流れや必要な手続きを整理し、「この人にしか分からない」という属人化を解消できる

いわば社労士は、「会社の外にいる労務部」のような存在です。社内に経験者を採用し続ける代わりに、外部の専門家と長く付き合うことで、安定した労務体制を築いていくことができます。
とはいえ、「すべてを外注するのではなく、社内にも最低限の労務担当は置いておきたい」と考える企業も多いと思います。その場合も、社労士をうまく活用することで、未経験者の育成負担を大きく減らすことができます。

社労士が関与することで、次のような形がとりやすくなります。

  • 社内担当者は、資料のとりまとめや従業員対応など、会社をよく知る人だからこそできる部分に集中する
  • 法解釈や手続きの正確性が求められる部分は、社労士がチェック・フォローする
  • 新任担当者に対して、社労士が実務の流れやポイントを一緒に整理し、教育面もサポートする

このように、社内担当者と社労士が役割分担を行うことで、「一人で全てを抱え込む」状態を避けつつ、担当者の成長も後押しできます。結果として、経営者は「誰かに全てが依存している」という不安から解放され、より安心して任せられる体制を整えられます。

人手不足が当たり前になりつつある今、人事・労務担当者の退職は、どの会社にも起こり得る出来事です。そのたびに慌てて採用活動を行い、未経験者を一から育て直すというやり方は、これからの時代にはますます難しくなっていくでしょう。

だからこそ、「社内だけで何とかする」発想から一歩踏み出し、社労士という外部の専門家をパートナーとして活用することが大切です。人事・労務業務の属人化を防ぎ、採用・育成の負担を軽減しながら、自社に合った安定した労務体制を整えていくことが、人手不足時代を乗り切るカギになります。

「どこまでを社内で担当し、どこからを社労士に任せるべきか」「今の体制のままで大丈夫なのか」など、ご不安なことがありましたら、現状やお悩みをお伺いしながら最適な方法をご提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。

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