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労務コラム

2023.04.07

「キャリアアップ助成金」の大きな改定…各項目の注意点は?

ほし社会保険労務士事務所でキャリアアップ助成金の打ち合わせをするお客様

※令和5年11月のキャリアアップ助成金(正社員化コース)の変更点はこちら
【令和5年度】キャリアアップ助成金(正社員化コース)の変更点を解説します!

「キャリアアップ助成金」では、非正規雇用の従業員を正社員化することにより、厚生労働省から助成金を受け取ることができます。
この助成金について、昨年大きな改定がありました。
それに伴い、具体的に何をすればいいのか、項目ごとにピンポイントで詳しく解説いたします!

キャリアアップ助成金の「正社員」の定義変更に伴う対応は?

「正社員の就業規則が適用されており、そこに賞与または退職金の制度かつ昇給が適用されていることという内容に変更になりました。
それまでは「正社員の就業規則が適用されていること」だけが条件だったのに対し、より細かく制度を準備する必要が出てきたことになります。
では、具体的にどんなことを決めればいいのでしょうか?
項目ごとに抑えておきたい部分をまとめました。

①賞与
実際に正社員転換後に賞与を支給している場合であっても、就業規則上で「原則賞与は支給しない。ただし、会社の業績によっては支給する場合がある」といったように、原則は支給しない内容になっている場合は対象外となります。
そのため、就業規則上では、賞与は原則支給するという内容にしておく必要があります。
また、賞与の支給日や評価対象期間を明記しておくのが望ましいです。

②退職金
現在、退職金制度といえば、退職一時金、中退共、確定拠出企業年金等様々な制度がありますが、基本的にはどの制度であっても対象となります。
ただし、就業規則に対象者の範囲、支給要件、額の計算方法、支払時期等が明記されている必要があります。

③昇給
実施時期等を就業規則に明記しておくのが望ましいです。
また、あくまでも「昇給」である必要がありますので、「据え置き」や「降給」の可能性がある場合は、就業規則に客観的な評価基準が必要です。
特に「降給」は、評価制度や給与テーブル等が必要になる可能性があります。

試用期間がある場合の条件変更はどう対応する?

昨年の改定前までは、試用期間がある場合の正社員転条件は明記されていませんでした。
それが今後、正社員転換後に試用期間がある場合は、正社員として転換し、正社員と同様の待遇を受けている場合であっても、正社員とはみなさず、無期雇用労働者とみなすことになりました。
無期雇用労働者とみなされてしまうと、助成金の支給額は有期雇用労働者⇒正社員の場合の半額になってしまいます。

試用期間についてのポイント
正社員転換時の雇用契約書等に試用期間が記載されている場合は、当然正社員転換後に試用期間があることになります。
一方で、正社員転換時の雇用契約書等に試用期間についての記載が無くとも、就業規則に「正社員には3か月の試用期間を設ける」といった規定がある場合は、「正社員転換後に試用期間がある」との判断になる可能性があります。
そうならないためには、就業規則の試用期間についての規定に「正社員へ転換された場合には試用期間を設けない」といった内容を追記しておくことが重要です。

助成金の対象になる非正規雇用労働者の線引きはどう変えればいい?

これまでは「6カ月以上雇用されている有期または無期雇用労働者」であれば助成金対象になりましたが、昨年の改定により、「正社員と異なる雇用区分の就業規則等の適用を6カ月以上受けていること」という条件が追加になっています。
正社員と異なる雇用区分の就業規則等を作成するポイントは下記のとおりです。

①雇用形態の定義、適用範囲の違いを明確にする
正社員、契約社員、パートタイマー等の雇用形態の違いがありますが、まずはそれぞれの定義(勤務日数、勤務時間、契約期間、職務内容等)を定め、その上で、作成した就業規則をどの雇用形態に適用するのかを明確にします。(就業規則は正社員にのみ適用し、パートタイマーについてはパートタイマー就業規則を適用する 等)
就業規則は、必ずしも雇用形態ごとに作成する必要はありませんが、就業規則上でどの規定がどの雇用形態の従業員に適用されるのかは明確にしておく必要があります。

②正社員とそれ以外の雇用形態で異なる給与制度を設ける
基本給・賞与・退職金・各種手当等のうちいずれか一つで、正社員とそれ以外の雇用形態で異なる賃金制度を設け、それを就業規則上で規定しておく必要があります。
【例】
▼基本給
(1)金額の決定方法の違い (2)昇給幅の違い を設ける
▼賞与・退職金・各種手当等
(1)計算方法の違い (2)正社員以外の雇用形態では支給対象としない などの違いを設ける

複雑な改定内容…ご不明点はプロに

先述の通り、キャリアアップ助成金の正社員コース改定に伴い、様々な細かい注意点が出てきています。
ほし社会保険労務士事務所事務所は、キャリアアップ助成金の申請サポートのご依頼を多くいただいております。
改定に伴う注意事項もしっかり網羅したうえで、分かりやすくご説明し、スムーズな助成金受給をサポートいたしますので、ぜひお気軽にご相談くださいませ。

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