2023.02.06
キャリアアップ助成金とは?分かりやすく解説!
【追記】
※令和5年11月にキャリアアップ助成金(正社員化コース)が拡充されました。
【令和5年度】キャリアアップ助成金(正社員化コース)の変更点を解説します!
「キャリアップ助成金」を有効活用して、従業員の方を正社員化しませんか?
「キャリアアップ助成金」という言葉を聞いたことはありますか?
非正規雇用の従業員を正社員化することにより、社会全体の雇用を安定させ、すべての人が前向きにキャリアップを目指せる社会を実現するために、厚生労働省が準備している助成金です。
企業側にとっては、優秀な人材の確保を促進できるというメリットにも繋がります。
今回はこの助成金の概要と、どんなことをすれば受け取れるのかを解説いたします!
キャリアアップ助成金の「正社員化コース」とは?
パートやアルバイト、派遣社員の方など、いわゆる「非正規雇用」従業員を「正社員」にする場合に助成金が受け取れる制度です。
助成金はいくらもらえるの?
正社員化コースの場合、従業員1人当たりの助成額は以下の通りです。
企業区分 | 条件 | 支給金額 |
---|---|---|
中小企業 | 有期雇用者を 正社員にした場合 |
57万円 |
無期雇用者を 正社員にした場合 |
28万5,000円 | |
大企業 | 有期雇用者を 正社員にした場合 |
42万7,500円 |
無期雇用者を 正社員にした場合 |
21万3,750円 |
助成金をもらうための条件は?
主に下記3つの条件を満たせば助成金を受け取ることが可能です。
①キャリアアップ計画の作成
従業員がキャリアップするための大まかなイメージを記載した計画書を作ります。
具体的には、どんな業務ができていれば正社員に転換できるのか、そのためにどんな訓練を企業として準備するのか、期限はどれくらいかなどを記載します。
書き方次第では申請が認められないこともありえるため、対象の非正規雇用労働者のキャリアアップをどう進めていくか、明確に分かる計画書に仕上げることが大切です。
②制度の規則化
従業員が正社員に転換するための制度を就業規則などに明確に規定します。
中小企業などでは就業規則を設けられていないところもあるかと思います。その場合は就業規則をきちんと準備するところから始めます。
③正社員化による給料UP
従業員が正社員に転換した後の6カ月、賃金を3%以上増額する必要があります。
この「賃金」には交通手当や歩合給は含まれません。その他にも含むことができない手当がありますので注意が必要です。
助成金をもらうまでの流れは?
①労働局へのキャリアアップ計画書の提出
②就業規則の作成・整備および施行、労働基準監督署への届け出
③対象者を正社員へ転換
④対象者を正社員として6カ月以上雇用し、6カ月目の賃金を支払った後、支給申請
⑤助成金入金
※①と②はどちらが先でも構いません。
上記のフローを経てようやく助成金を受給することが可能です。
助成金についてのよくある質問
Q.本人が有期雇用で採用されることを拒否しています。本人を納得させるために後から正社員にすることを約束しても良いですか?
A.正社員にすることを約束して採用した場合は対象となりません。新たに検討する場合のみ助成金を受けとることができますので、その点は十分にご注意ください。
Q.社長の配偶者や子供を他の社員と同じように雇用しています。支給対象となりますか?
A.残念ながら、事業主または取締役の「3親等以内の親族」は支給対象となりません。予めお含みおきください。
Q.就業規則では、正社員転換の要件として「勤続1年以上」と規定していますが、優秀な方なので、それより前に正社員に転換したいと考えています。支給対象になりますか?
A.就業規則に基づき正社員に転換する必要があるため、支給対象とはなりません。
Q.転換前後で賃金総額が3%増額していることが必要とありますが、賞与を含めて比較して良いのですか?
A.賞与は比較対象となりません。また、毎月支給される手当であっても、就業規則に記載されていない手当や以下の手当は比較対象となりません。
①通勤手当②住宅手当③時間外労働手当、休日労働手当④歩合給 など
スムーズな受給のために不備なく事務手続きを進めましょう
先述の通り、キャリアアップ助成金の正社員コースを受給するためには、様々な書類を不備なく期日までに準備し、規則を整え、条件を満たした給与を支払う必要があります。
企業様にとっては、本業と並行しながら申請を進めなければならないため、社労士にサポートを受ける場合がとても多いです。
ほし社会保険労務士事務所事務所は、キャリアアップ助成金の申請サポートを得意としております。
煩雑な手続きを代行し、必用な項目を分かりやすくご説明し、スムーズな助成金受給のために尽力いたします。
ぜひお気軽にご相談くださいませ。