2026.01.09
健康保険証廃止後に企業が押さえておきたい社会保険事務Q&A

令和7年12月2日より、従来の健康保険証が廃止されました。
この件について、企業の社会保険事務担当者様から、どのように対応すれば良いかわからないというご相談をいただきます。
今回は、健康保険証の廃止に伴う社会保険事務のポイントについて、Q&A形式で解説します。
※協会けんぽ加入の事業所向けの内容です。健康保険組合にご加入の事業所におかれましては、ご加入の健康保険組合にご確認ください。
- Q1:従来の健康保険証はどうすれば良いですか?
- A:従来の健康保険証は、令和7年12月2日以降に各自破棄することが可能なため、事業所として従業員から回収をする必要はありません。
ただし、厚生労働省では、切替えに伴う混乱を避けるため、従来の健康保険証を持参した場合でも、令和8年3月末までは保険診療を受けられる特例措置を講ずることを医療関係団体に周知しています。
この点も踏まえて従業員へ周知し、破棄する時期については各従業員に委ねるのが良いかと思います。 - Q2:資格確認書とは何ですか?
- A:資格確認書は従来の健康保険証の代わりになるもので、記載してある情報も従来健康保険証とほぼ同じです。協会けんぽの場合、従来の健康保険証は水色、資格確認書は黄色です。資格確認書は従来の健康保険証の新規発行が停止された令和6年12月2日以降に発行が開始されました。
- Q3:なぜ資格確認書を持っている人と持っていない人がいるのですか?
- A:資格確認書を持っている理由は3つのパターンがあります。
1.令和6年12月2日以降に資格取得の手続きをした方、扶養追加の手続きをした方については、手続き時に資格確認書の発行を希望するかどうかを選択できるようになりました。この手続き時に資格確認書の発行を希望した方は資格確認書を持っていることになります。本人がマイナ保険証も持っている場合でも発行されます。
2.資格確認書は、1の場合でなく、かつマイナ保険証を持っていたとしても、「健康保険資格確認書交付申請書」を協会けんぽへ提出することにより、交付を受けることができます。この申請書は企業(事業主)から提出します。
3.マイナ保険証を持っていない方については、従来の健康保険証が廃止される前に各従業員の自宅に資格確認書が届く仕組みになっています。よって、1、2のように企業(事業主)として手続きを取っていなくとも従業員が資格確認書を持っていることになります。
- Q4:退職者や扶養を外れた方についてはどう対応すれば良いですか?
- A:従来の健康保険証と同じように、退職時や扶養を外れた時に本人から資格確認書を回収して、企業(事業主)を通して返却する必要があります。
Q3の「3」の場合は、企業(事業主)としてその方が資格確認書を持っているかを把握しておりませんので、資格確認書を持っているかどうかを本人に確認する必要があります。資格確認書を持ってるのに紛失した等の理由で返却が出来ない場合は、手続き時に「資格確認書回収不能届」を作成して添付する必要があります。
この書類を添付しない場合は、従業員本人に対して、資格確認書を返却するよう勧奨が行われることになります。
従来の健康保険証が廃止されたことにより、社会保険事務としても様々な変更点があります。担当者としては、仕組みや対応方法を理解し、従業員からの問い合わせにスムーズに対応できるようにしておきたいところです。
ほし社会保険労務士事務所では、このような改正も含め、人事労務に関するさまざまなお悩みについてご相談を承っております。
企業さまの状況に応じてご案内いたしますので、お気軽にお問い合わせください。