2025.08.05
職場における熱中症対策が義務化!その詳細は?
令和7年6月より、労働安全衛生規則が改正され、職場における熱中症対策が義務化されました。まだまだ暑い日が続きますが、対策が済んでいない企業は早急に対策をする必要があります。
今回は、職場における熱中症対策の義務化について解説していきます。
対象となる企業は?
熱中症対策の義務化の対象となるのは、「WBGT28度以上または気温31度の環境下で連続1時間以上または1日4時間を超えて実施」が見込まれる作業です。
※WBGTという言葉は聞きなれない方もいるかもしれませんが、WBGTとは「暑さ指数」と呼ばれるもので、①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温の3つを取り入れた指標です。
具体的には、建設業における屋外での現場作業等が真っ先に思い浮かぶかと思います。しかし、屋外での作業をメインとする業種の企業だけが対象となるわけではありません。例えば、普段は室内での事務作業がメインの仕事であっても、イベント等で一時的に屋外で作業をする場合があり、上記条件に該当すれば熱中症対策を講じる必要があります。
具体的に何をすれば良いの?
「体制整備」「手順作成」「関係者への周知」が求められます。なお、策定した内容を労働基準監督署へ届出や報告をする必要はありません。
自身に熱中症の自覚症状が出た場合や、熱中症と見られる症状の人を見つけた場合に、その旨を誰に報告をすべき等の体制を整備しておくものです。
②手順作成
熱中症の疑いに対して現場でどのような対処をするかの手順を定めておくものです。厚生労働省では、次のようなフロー図を例として紹介しています。

出典:厚生労働省 職場における熱中症対策の強化について(PDF)
②関係者の周知
①および②の内容を事前に自社の従業員や関係事業者にも周知しておくものです。
注意すべき点として、熱中症対策の義務化はそれぞれの企業で対策を講じるのが原則ではありますが、建設現場等では様々な業者が同じ場所で作業をするため、各企業間でマニュアル等を事前に共有する必要があります。建設現場では元請企業が主体となって調整すべきとされていますが、イベント等で様々な企業が同じ場所で一緒に作業をする場合は、企業間での調整が難しい場合があるかもしれません。
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