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労務コラム

2025.07.03

社会保険の年収の壁について解説!大学生世代の「130万円」の壁が変わる!?

令和7年10月より、19歳以上23歳未満の大学生世代の方が社会保険の扶養に入るための年収の壁が、年間130万円から150万円に上がります。今回は、社会保険の年収の壁について解説していきます。

※内容は現時点でのものです。今後の法改正の内容によって変更になる可能性があります。

130万円の壁とは?

130万円の壁とは社会保険の扶養に入るための年収の上限です。例えば、子供が父親の社会保険の扶養に入ることができればその子供の保険料は0円になりますが、扶養に入れなければ、市町村国保に入り保険料を支払う必要があります。
また、その父親の妻であれば、社会保険の扶養に入る場合は、同時に国民年金の第3号被保険者になります。第3号被保険者は国民年金の保険料の支払いがありませんが、実際には支払っているとみなされ、加入期間分の年金を受け取ることができます。なお、60歳以上の方が扶養に入る場合は、年収180万円が上限となります。

税法上の扶養の年収の壁との違いは?

税法上の扶養の年収の壁の違いは以下のとおりです。

①「収入」の対象の違い
毎月受け取る給与の中で税法上の収入に当たらないもの(非課税)があります。代表的なものとしては通勤手当です。それに対して、社会保険の「収入」では、非課税の通勤手当も含みます。また、給与を受け取っていなくとも、健康保険からの給付金(傷病手当金等)、雇用保険からの給付金(失業保険等)、公的年金も収入に含まれます。

②「年収」の考え方の違い
税法上の扶養では、その年に実際に支払われた合計額でその年の扶養の対象になるかを判断します。それに対して、社会保険の「収入」ではその時点でこれから先1年間の見込み年収がいくらになるかで判断します。実際には毎月の給与の見込み額が108,333円以内(130万円を12で割ったもの)であればよいとされています。ただし、健康保険組合によっては、年間収入も要件としているところもあるようですので、注意が必要です。

令和7年10月からの改正内容とは?

最初に書いたとおり、令和7年10月から19歳以上23歳未満の方(大学生世代)が社会保険の扶養に入るための年収の壁が年間130万から150万円に上がります。これは、令和7年から大学生世代の方の税法上の扶養に入れる年収の上限が103万円から150万円に引き上げられたことに合わせたものと思われます。
解説したように税法上の扶養と社会保険の上の扶養では、収入の対象と年収の考え方の違いがありますので、必ずしも「税法上の扶養=社会保険上の扶養」とはならないことに注意が必要です。

その他の注意点は?

社会保険の扶養を考える際にはその他にもいくつか注意点があります。

①その他の社会保険の扶養になる条件がある
(1) 同居の場合は、収入が2分の1未満であること
(2)別居の場合は、仕送りの額が対象者の年間収入を上回ること
②自身が社会保険に加入した場合は扶養から外れる
以下の要件に全て該当した場合は、年収の壁の範囲内であっでも自身が社会保険に加入するため、扶養から外れることになります。
(1) 厚生年金保険の被保険者数が51人以上の企業に勤務
(2) 週の所定労働時間が20時間以上
(3) 基本的な給与が月88,000円以上(残業代、通勤手当等は除く)
(4) 雇用期間が2か月を超える
(5) 学生ではない
厚生年金保険の被保険者が50人以下の事業所の場合は、「週の所定労働時間が一般社員の4分の3以上」かつ「月の所定労働日数が一般社員の4分の3以上」が加入要件となります。

個人的に社会保険の年収の壁は、制度の複雑さでは税法上の壁と同じぐらいという印象ですが、判断の難しさでは社会保険の方が上だと考えます。
仙台にあるほし社会保険労務士事務所では、法改正に注目しつつ、年収の壁に対する相談もお受けしております。
ぜひお気軽にご相談ください。

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