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労務コラム

2024.12.04

定年後の高年齢者が働きながら公的年金を受給した場合は?

少子高齢化が進み労働力人口が減少している日本では、高年齢者層を活用していくことが重要になってきます。
前回は、60歳以上の65歳未満の雇用保険被保険者が受給できる高年齢雇用継続基本給付金について解説しました。
今回は、60歳以上の方が働きながら公的年金を受給した場合はどうなるのかについて解説していきます。

在職老齢年金について

結論から申し上げれば、60歳以上の方が働きながら年金を受けると、年金額の一部または全部が支給停止(減額)されることがあります。

①「働きながら」とは
「厚生年金の被保険者になっている」または「70歳以降でも厚生年金の被保険者に該当するような働き方をしている(厚生年金への加入は原則70歳までのため」)場合です。短時間のアルバイト等であれば該当しません。

②減額される年金とは
現在の公的年金制度は、国民年金と厚生年金の2階建てになっています。この仕組みによって減額されるのは、厚生年金から支給される部分だけであり、国民年金から支給される部分には影響はありません。

③どれぐらいの金額が減額されるのか

(1)基本月額と総報酬月額相当額の合計額が50万円以下のとき
→支給停止額=0円(全額支給)

(2)基本月額と総報酬月額相当額の合計額が50万円を超えるとき
→支給停止額= (総報酬月額相当額+基本月額-50万円 ) ✕1/2
※基本月額とは、年金額の年額を12で割った額
※総報酬月額相当額とは、毎月の給与+1年間の賞与を12で割った額
※50万という数字は年度ごとに変わります。

④計算例
厚生年金額120万円(基本月額10万円)の方で、総報酬月額相当額が42万円の場合、基本月額と総報酬月額相当額の合計額が50万円を超えますので、減額対象となります。
支給停止額=(42万円+10万円-50万円)✕1/2=1万円(月額)

高年齢雇用継続基本給付金との関係

働きながら年金を受ける方が、前回のコラムで説明した高年齢雇用継続基本給付金も受ける場合、さらに年金額が減額される場合があります。

60歳以上になると年金を受給できる可能性がでてきますが、毎月の給与額が高い方や厚生年金からの支給額が高い方については、年金が減額される場合があることを解説しました。せっかく貰える年金が減額になってはもったいないと言えます。特に会社役員の方など、自身の給与額をある程度コントロールできる方については、これらも踏まえた上で給与額(役員報酬)を決定することもあります。
年金事務所に相談すると詳しい金額等も教えてもらえますが、事前に知っていなければ相談に行くこともできませんので、ある程度の知識を身に着けておくことが重要です。

ほし社会保険労務士事務所では、高年齢者の賃金制度設計や役員報酬について、年金額や雇用保険からの給付金との関係も考慮したアドバイスも行っております。
ぜひお気軽にご相談ください。

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